母乳

初めての授乳

出産をすれば母乳は出るものと思っているお母さんがたくさんいますが、はじめからそううまくはいきません。中にはスムーズに出るお母さんもいますが、たいていは、赤ちゃんに十分な量の母乳が出るお母さんは少ないです。
なので、早い時期に母乳が出ないとあきらめてしまわないことが大切です。これは、出産してしばらくは、乳管が開ききっておらず、詰まりやすくなっていることと、赤ちゃんも吸うことに慣れていないことが原因です。
母乳の出がよくなるように、出産前からおっぱいのマッサージをしたり、きついブラジャーからサポートタイプのブラジャーや乳帯に替えたりしましょう。
母乳には赤ちゃんが育つ上で十分な栄養と免疫物質が含まれています。特に出産後から1週間ぐらい出る初乳には、脂質や糖質が少なく、赤ちゃんにとって良質のタンパク質を多く含み消化吸収のよい母乳で赤ちゃんを病気から守ってくれます。そして、お母さんにとっても赤ちゃんに母乳を与えることによって、母性ホルモンが促進されたり、子宮の収縮を促すホルモンが分泌され、産後の体の回復に役立ちます。はじめのうちは、授乳の回数や量は気にせず、赤ちゃんの欲しい時に欲しいだけあげるようにしましょう。

授乳は、赤ちゃんの心身発達、母子のスキンシップに大切なことですが、それが全てではありません。
母乳で育てたいけれど出が悪かったり、働いているので授乳時間がとりづらい人もいます。ひけめや罪悪感を感じることはありません。
授乳ができなくても、深い愛情を与えること、親子の絆を深めることは十分できます。
母乳には、たしかに素晴らしい栄養分がありますが、それ以上にお母さんの心から溢れる愛情が、赤ちゃんの心と体の発達にかかせないものなのです。

  1. まずは赤ちゃんにいっぱい吸ってもらうこと
  2. 乳管の開通、おっぱいのマッサージ
  3. 授乳回数を増やす
  4. お母さんが栄養と休養を十分にとる

授乳前の乳房のマッサージ法

  1. 両手でわきの下のほうから乳房を持ち上げるように数回マッサージし ます。次に片手で乳房を支え、もう片方の手で、乳房を上から下へ、わきから乳首に向けて数回さすります。
  2. 両方の乳房を支えながら軽く揺さぶります。

授乳前の乳首のマッサージ法

  1. まず乳輪部分を親指とひとさひ指でつまみます。
  2. 次に乳首の根元に圧を加えながら胸に押しつけるようにして、力を強めたり弱めたりしてしぼり出し、これを10回くらいくり返したら乳首から指を離します。
  3. この動作を左右上下から必要な量がしぼれるまで行います。

断乳の時期

断乳は通常1歳ごろから始まりますが、特に強要しなくても、食べられる食品が増えれば徐々に母乳が必要なくなります。なかなか乳離れできない赤ちゃんも、乳首に絵を描いたり乳首に何かを塗って無理矢理はなすのではなく、自然に離れるのを待ちましょう。
ただ、栄養面を母乳に頼っている赤ちゃんは思い切って断乳する方がよいかもしれません。

断乳の時期

  • ほうれん草
  • 小松菜
  • 海藻類
  • いわし
  • レバー
  • 納豆
  • 豆腐
  • ヨーグルト
  • 牛乳
  • チーズ

これらの食材を積極的にとると、栄養価の高い母乳が出やすくなります。
また、お餅や油分の多いものなどは母乳が詰まりやすくなるため、なるべく控えてください。
ただし、あまり神経質になり過ぎず、「なんでもバランスよく食べる」ことを心がけるといいでしょう。